Railsでコントラクトコードを実行して、独自トークンを発行する

前回のDApps学習ではRailsからスマートコントラクトを動作させるサンプルアプリを作成しました。

超簡単！！RailsでEthereum上のコントラクトコードを実行する

2018年4月30日

その際OpenZeppelinのようなライブラリの使い方がわからなかったため、今回はOpenZeppelinを利用して独自トークンを発行し、送金が行えるサンプルアプリをRailsで作ってみました！

OpenZeppelinとは

基本的なスマートコントラクトのフォーマットを提供するライブラリ群。導入する事で少ない作業量で実装ができるようになります。

今回作ったコードはこちらにおいています。

サンプルアプリでは独自トークンを自動で発行して、別のアドレスに送金する。までができます。

やっていることはとてもシンプルだけど色々ハマった・・。その代わり、その分学びがあったはず。

Contents

1 本記事の前提
2 動作環境
3 サンプルアプリを動作確認してみる
- 3.1 動作方法
- 3.2 動作確認
4 実装ポイント
5 まとめ
6 参考

本記事の前提

RailsとSolidityでサンプルアプリを作っているため、両方の基礎知識がない方は理解が難しいかもしれません。

動作環境

動作させた環境は以下になります。

Rails v5.1.6
ethreum.rb v2.2
npm v5.6.0
OpenZeppelin v1.9.0
truffle v4.1.7
Ganache v1.1.0

サンプルアプリを動作確認してみる

まずは動作させて動きを見てみましょう。

といっても独自トークンを発行して送金するだけなので、だいたい想像つく方は飛ばして実装ポイントだけ見てもらえばと思います。

動作方法

ソースのクローンしてからgemのインストール

$ git clone git@github.com:Matsushin/ethereum-token-sample.git

1	$ git clone git@github.com:Matsushin/ethereum-token-sample.git

$ bundle install

1	$ bundle install

.env.sampleファイルをコピーして.envファイルの作成。適宜変えてご利用ください。

DATABASE_USERNAME=username # DBのユーザ名
DATABASE_PASSWQRD=password # DBのパスワード
DEFAULT_TOKEN_NAME=MatsushinToken # トークン名
DEFAULT_TOKEN_SYMBOL=MS	# トークンのシンボル
DEFAULT_TOKEN_TOTAL_SUPPLY=10000 # トークンの供給量

DATABASE_USERNAME=username # DBのユーザ名

DATABASE_PASSWQRD=password # DBのパスワード

DEFAULT_TOKEN_NAME=MatsushinToken # トークン名

DEFAULT_TOKEN_SYMBOL=MS # トークンのシンボル

DEFAULT_TOKEN_TOTAL_SUPPLY=10000 # トークンの供給量

データベースの作成とテーブルの作成

$ bundle exec rake db:create
$ bundle exec rake db:migrate

1 2	$ bundle exec rake db:create $ bundle exec rake db:migrate

アプリを起動する

$ bundle exec rails s

1	$ bundle exec rails s

Ganacheを起動する

最後にトップ画面(http://localhost:3000)にアクセス。エラーが発生しなければOK！

それでは次に動作を確認していきましょう。

動作確認

トップ画面にアクセスすると2アドレス分のトークン/ETH残高が表示されます。

画面アクセス時にデフォルトのトークンが発行されアドレス1に全て割り当てられます。

アドレス1はGanacheが自動で発行する最初のアドレスで、アドレス2が2番目のアドレスになります。またアドレス1 が独自トークンの発行を行います。

「アドレス2に送金する」をクリックして送金画面へ。送金量を入力して送金実行！

アドレス1のトークン残高が減り、アドレス2のトークン残高が送金した分増えていればOK！

動作が確認できたので次は自分が実装をしていく中で色々ハマったので、その辺りを整理していきます。

実装ポイント

OpenZeppelinの導入

前回の記事でも少し書きましたが、Railsからコントラクトを実行する場合にライブラリの import ができず困っていました。

色々試したのですが、 Truffleでコンパイルする事で解決できましたので手順を解説します。

Railsプロジェクト直下にtruffleフォルダを作成(フォルダ名は何でも良い)
truffleフォルダ配下に移動して「truffle init」 してtruffleプロジェクトを作成
コントラクトのコード(import含む)を書く(※1)
OpenZeppelinをインストール(※2)
コントラクトをコンパイル(「truffle compile」)

※1 AppToken.sol

zeppelin-solidityライブラリのStandardToken.sol をimportして継承したクラスを少し実装しているだけのとてもシンプルなコードです。何とこれだけでERC20に準拠のトークンが作れちゃうから便利ですね。

pragma solidity ^0.4.23;
import "zeppelin-solidity/contracts/token/ERC20/StandardToken.sol";

contract AppToken is StandardToken {
  string public name;
  string public symbol;
  uint8 public decimals = 4;

  function AppToken(string _name, string _symbol, uint _totalSupply) public {
    totalSupply_ = _totalSupply;
    balances[msg.sender] = _totalSupply;
    name = _name;
    symbol = _symbol;
  }
}

pragma solidity ^0.4.23;

import "zeppelin-solidity/contracts/token/ERC20/StandardToken.sol";

contract AppToken is StandardToken {

string public name;

string public symbol;

uint8 public decimals = 4;

function AppToken(string _name, string _symbol, uint _totalSupply) public {

totalSupply_ = _totalSupply;

balances[msg.sender] = _totalSupply;

name = _name;

symbol = _symbol;

}

※2 OpenZeppelinのインストール

下記コマンドを実行していインストールを行う。

$ npm init -f
$ npm install zeppelin-solidity

1 2	$ npm init -f $ npm install zeppelin-solidity

truffle利用時のコントラクトの連携方法

Rails側でのコントラクトとの連携部分のコードです。

class EthereumApi
  TRUFFLE_PATH = "#{Dir.pwd}/truffle/" # truffleで作成したプロジェクトのパス
  GANACHE_URL = 'HTTP://127.0.0.1:7545' # GANACHEを起動しているサーバー
  attr_accessor :contract, :client

  def initialize
    self.client = Ethereum::HttpClient.new(GANACHE_URL)
    create_default_token! if Token.count.zero?
    token = Token.first
    self.contract = Ethereum::Contract.create(name: "AppToken", truffle: { paths: [ TRUFFLE_PATH ] }, client: @client, address: token.token_address) # 保管したコントラクトのアドレスを再利用する
  end

  def create_default_token!
    self.client = Ethereum::HttpClient.new(GANACHE_URL)
    self.contract = Ethereum::Contract.create(name: "AppToken", truffle: { paths: [ TRUFFLE_PATH ] }, client: @client) # 画面に初回アクセス時に新しくコントラクトを作成
    token = Token.new(
      name: Token::DEFAULT_NAME,
      symbol: Token::DEFAULT_SYMBOL,
      total_supply: Token::DEFAULT_TOTAL_SUPPLY
    )
    address = contract.deploy_and_wait(token.name, token.symbol, token.total_supply) # デプロイ！
    token.token_address = address # コントラクトのアドレスを保管しておく
    token.save!
  end

  def get_accounts
    client.eth_accounts['result']
  end

  def transfer(address, amount)
    begin
      contract.transact_and_wait.transfer(address, amount) # 送金処理
    rescue => e
      Rails::logger::debug("Error token transfer. message: #{e.message}")
      false
    end
  end
end

class EthereumApi

TRUFFLE_PATH = "#{Dir.pwd}/truffle/" # truffleで作成したプロジェクトのパス

GANACHE_URL = 'HTTP://127.0.0.1:7545' # GANACHEを起動しているサーバー

attr_accessor :contract, :client

def initialize

self.client = Ethereum::HttpClient.new(GANACHE_URL)

create_default_token! if Token.count.zero?

token = Token.first

self.contract = Ethereum::Contract.create(name: "AppToken", truffle: { paths: [ TRUFFLE_PATH ] }, client: @client, address: token.token_address) # 保管したコントラクトのアドレスを再利用する

end

def create_default_token!

self.client = Ethereum::HttpClient.new(GANACHE_URL)

self.contract = Ethereum::Contract.create(name: "AppToken", truffle: { paths: [ TRUFFLE_PATH ] }, client: @client) # 画面に初回アクセス時に新しくコントラクトを作成

token = Token.new(

name: Token::DEFAULT_NAME,

symbol: Token::DEFAULT_SYMBOL,

total_supply: Token::DEFAULT_TOTAL_SUPPLY

)

address = contract.deploy_and_wait(token.name, token.symbol, token.total_supply) # デプロイ！

token.token_address = address # コントラクトのアドレスを保管しておく

token.save!

end

def get_accounts

client.eth_accounts['result']

end

def transfer(address, amount)

begin

contract.transact_and_wait.transfer(address, amount) # 送金処理

rescue => e

Rails::logger::debug("Error token transfer. message: #{e.message}")

false

end

ポイントは2点。デプロイは1度だけ行うこと。あとはデプロイ時に発行されたコントラクトアドレスを使い回す。

そうしないとトークンの保管が初期化されてしまいます。

もう1つはコントラクト作成時(Ethereum::Contract.create)にtruffleオプションを使うこと。そうすることでtruffleで作成したプロジェクトを利用できるようになります。

仕組みを考えるとデプロイは1度だけとか当たり前なのだけど・・実装することで理解が深まる。

モデル名について

Rails側のモデル名とコントラクトのクラス名を同じにしてはいけません。

詳しくはよくわかっていないのですが、同じにしてしまうと挙動がおかしくなってしまいました。

モデルのインスタンスを作るとコントラクト側のクラスのインスタンスができてしまうような感じ？

これめっちゃハマった。。

実装のポイントについては以上です！

まとめ

さて、今回は独自トークンの発行と送金の処理をRailsで行ってみました。

昨日丸一日かけてRailsから、truffleを使って作成した独自トークンを送金するサンプルアプリを作って学んだこと。
後でブログにまとめていこう

・truffleで作成したプロジェクトのethereum.rbからの連携方法
・独自トークン送金の実装方法
・ERC20の仕様#DApps開発 #solidity

— まつしん@仮想通貨プログラマ (@matsushin11)

2018年5月5日

Solidity側のコードはほとんど書いていないため、Solidity力はあまり上がりませんでした。ですがスマートコントラクトの連携部分を多少書いて動かしたので、仕組みの理解に繋がりました。あとライブラリのコードリーディングをしたりしたのでERC20の仕様の理解が進んだのがよかったです。

また今回のサンプルアプリはトークンの発行者から決まったアドレスに送金するだけでしたが、トークンの保有者なら誰でも送金できるようにしたいです。例えば今回のサンプルアプリではアドレス1からアドレス2に送金した後、次はアドレス2からまた別のアドレスに送金するような。この辺り実装しようとしてうまくいかなかったのですよね。。

具体的にいうと StandardToken.solにあるtransferFromメソッドがうまく使えませんでした。

後まだローカル環境でしか動作させていないので、本番環境の手前のテスト環境で動かして見たいです。

この辺り知りたいですね〜。

参考

Rubyを使って、Ethereumへ接続し、Smart Contractを実行する

Railsでコントラクトコードを実行して、独自トークンを発行する

本記事の前提

動作環境

サンプルアプリを動作確認してみる

動作方法

動作確認

実装ポイント

OpenZeppelinの導入

※1 AppToken.sol

※2 OpenZeppelinのインストール

truffle利用時のコントラクトの連携方法

モデル名について

まとめ

参考

1 個のコメント

コメントを残すコメントをキャンセル

プロフィール

最近の投稿

Twitter でフォロー

アーカイブ

カテゴリー

本記事の前提

動作環境

サンプルアプリを動作確認してみる

動作方法

動作確認

実装ポイント

OpenZeppelinの導入

※1 AppToken.sol

※2 OpenZeppelinのインストール

truffle利用時のコントラクトの連携方法

モデル名について

まとめ

参考

1 個のコメント

コメントを残す コメントをキャンセル

RECOMMENDこちらの記事も人気です。

チームでありたい人のための「The Agile Guild」に参加してや…

【早割中！！】指導実績3000人以上の元学生プログラミング講師が作ったW…

話題のVue Nativeを起動させてみる

【振り返り】経験でなんとなくアドバイスはしない！メンターをして学んだこと…

【NEM開発入門】nem-rubyを利用して送金する

社内通貨を実現！！SlackでNEMの投げ銭ができるTipSLACK導入…

無料で学べる！！CryptoZombiesでSolidityの学習してみた

ブロックチェーンアプリを簡単に作れる！仮想通貨NEMを利用した開発用ライ…

プロフィール

最近の投稿

Twitter でフォロー

アーカイブ

カテゴリー

コメントを残すコメントをキャンセル